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数理的・データ科学的アプローチによる流体機械の創出
Creating Fluid Machinery with Mathematical and Data-Scientific Approaches

サブテーマ
■物理情報に基づく機械学習モデルによる空力予測
■流体解析・設計における不確かさの定量的評価

  • 研究概要(Research Summary)
  • 進化計算(Evolutionary Computation)
  • ベイズ最適化(Bayesian Optimization)
  • トポロジー最適化(Topology Optimization)
  • 機械学習(Machine Learning)
  • 不確かさの定量的評価(Uncertainty Quantification)
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    研究概要(Research Summary)

    当研究グループでは,流体解析に数理的・データ科学的アプローチを融合させることで,家電などの小型のものから,自動車・航空機などの大型のものまでを対象として,流体機械とそのシステムの最適化・強靭化・知的化に貢献する研究に取り組んでいます.
    This laboratory studies flow analysis techniques integrated with mathematical and data-scientific approaches to create optimal, robust, and intelligent fluid machinery and its systems, from small devices such as household appliances to large systems such as automobiles and aircraft.

    進化計算(Evolutionary Computation)

    「進化計算」は,生物進化を模した集団探索による最適化アルゴリズムです.与えられた目的関数(性能など)を最大もしくは最小にする大域的最適解(寸法・形状などの最適な組み合わせ)を,途中に存在する間違った局所最適解に陥ることなく,発見できる能力に優れています.よって,流体力学のように目的関数が不連続・多峰となる最適化問題においては有効な解法となります.当研究室では,進化計算を流体機械の設計に適用することで,最適な設計候補を見つけ出すだけでなく,最適となるための物理的根拠を設計知識として提示することを目指しています.

    単目的問題(Single-objective problem) 多目的問題(Multi-objective problem)
    進化計算(Evolutionary computation)
    単目的問題(Single-objective problem)
    多目的問題(Multi-objective problem)

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    ベイズ最適化(Bayesian Optimization)

    進化計算は集団探索を行うため,設計空間内の至るところで目的関数を評価する必要があります.これは,流体力学のように目的関数の評価に時間を要する最適化問題において致命的となります.そこで当研究室では,「ベイズ最適化」と呼ばれるデータ駆動型のアプローチを採用しています.目的関数を安価な確率モデルに代替し,モデル上で大域的最適解のありそうな場所を推測し,そこで目的関数の評価を追加実施した後,確率モデルを更新して正確性を適合的に上げていきます.これを繰り返すことで,評価回数を必要最小限に抑えつつ大域的最適解の発見に繋げます.当研究室では,様々な流体機械の設計において,進化計算を併用したベイズ最適化による高効率化に貢献しています.
       

    ベイズ最適化(Bayesian Optimization)
    ベイズ最適化(Bayesian Optimization)
    静粛超音速機
    (Silent supersonic transport)
    カーエアコン用送風機
    (Car air-conditioner blower)
    静粛超音速機(Silent supersonic transport)
    カーエアコン用送風機(Car air-conditioner blower)

    ベイズ最適化の実施例(Examples of Bayesian optimization)

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    トポロジー最適化(Topology Optimization)

    近年登場した積層造形などの3次元プリンター技術の発展に伴い,設計物の製作自由度が飛躍的に上がっています.そこで当研究室では,外形だけでなく内部構造(穴や合流・分岐など)の変化を考慮した「トポロジー最適化」に取り組んでいます.寸法最適化や形状最適化に比べて難易度は上がりますが,従来の除去加工では製作できない複雑な構造を設計対象とすることで,加工技術の枠に囚われない革新的な流体機械の創出に貢献しています.   

    寸法最適化(Size optimization) 形状最適化(Shape optimization) トポロジー最適化(Topology optimization)
    寸法最適化(Size optimization)
    形状最適化(Shape optimization)
    トポロジー最適化(Topology optimization)
    マイクロ混合器(Micromixer) ヒートシンク(Heat sink)
    トポロジー最適化の実施例(Examples of topology optimization)
    マイクロ混合器(Micromixer)
    ヒートシンク(Heat sink)

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    機械学習(Machine Learning)

    「機械学習」は,与えられたデータに潜在するルールやパターンを学習した後,学習結果に基づき未知のデータに対して予測や分類を行う技術です.当研究室では,これまでに蓄積された解析・設計データに対して機械学習を適用することで,様々な未知の設計候補に対して予測を行い,その中から所望の設計候補を優先的に見つけ出すことを目指しています.さらに当研究室では,データの数値的な予測精度に加えて,流体力学などの物理法則にも基づいて機械学習を実施することで,数理的にも物理的にも正しい設計候補の予測に繋げることを目指しています.

                             
    多層パーセプトロン
    (Multilayer perceptron(MLP))
    物理情報に基づくニューラルネットワーク
    (Physics-informed neural network(PINN))
    機械学習の設計応用例(Applications of machine learning to design)

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    不確かさの定量的評価(Uncertainty Quantification)

    実世界に見られる流体現象は,無数の「不確かな」物理要因が複雑に絡み合って発生します.流体現象の再現を目的とした数値解析は通常,こういった不確かさの存在を無視して単純化されることが多く,その結果は実現象とかけ離れたものとなります.また設計においても,製造誤差や環境の揺らぎなどの不確かさが存在し,設計対象とする製品の品質,すなわち設計の信頼性に大きく影響します.そこで当研究室では,流体解析の中で不確かさに対する物理量の挙動を定量的に評価することで,流体現象の正しい再現や流体機械の信頼性設計に貢献しています.     

            
    製造誤差(Manufacturing errors) 環境揺らぎ(Environmental fluctuations)
    設計における不確かさ(Uncertainties in design)
    製造誤差(Manufacturing errors)
    環境揺らぎ(Environmental fluctuations)
                 
    ソニックブーム伝播(Sonic boom propagation) 大気圏再突入(Atmospheric re-entry)
    不確かさの定量的評価の実施例(Examples of uncertainty quantification)
    製造誤差(Manufacturing errors)
    環境揺らぎ(Environmental fluctuations)

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